前田薬品工業株式会社

立山のリゾート施設　設計の隈氏会見

来年５月に立山町日中上野で前田薬品工業（富山市向新庄町、前田大介社長）などが開業する美容と健康のリゾート施設「ヘルジアンウッド」について、設計する建築家の隈研吾氏が６日、同市内で記者会見し、「美しい日本の村をデザインし直し、新たなリゾートとして世界に発信したい」と述べた。

レストランは、立山連峰を望む開口部を大きく取ったほか、稲わらを外壁に用いるなどして温かみのある空間を演出。

ハーブ園にあるアロマオイル工房は、眺望を楽しめるよう全面ガラス張りとした。

抽出工程も見学できる。

芝生のイベント広場には、シンボルとなる波板ガラスの大屋根を持った木の構造物や訪問者を迎えるゲートがある。

２期工事の宿泊施設４棟を含む各建物は、南北に延びる歩行者の動線を軸に配置した。

隈氏は「水田と立山連峰の景観に溶け込む村のような建築群にしたい」と話した。

同席した前田社長は施設名の造語「ヘルジアン」は未病でありながら健康に近い人を意味し、施設のメインターゲットであると説明。

豊かさや幸せ、満足感が得られるビレッジ（村）」として「世界中の人の健康と美を支えたい」と意欲を語った。

医薬品メーカーの知見を生かし、地域の医療機関と連携した医療ツーリズムや体内にたまった毒素を排出させる健康法「デトックス」などに取り組む考えも示した。

前田社長に隈氏を紹介した桝田酒造店の桝田隆一郎社長を交えた対談も行われた。

桝田社長は、欧米では過剰な豪華さよりも心の調和を求める風潮があるとし「日本の中山間地はパラダイスだ」と述べた。

総投資額は8～１０億円の見込み。

建物は延べ約1700平方メートル。

前田薬品工業の関連会社で建築業などのGEN風景（富山市呉羽町、中島宏昌社長）が建設、運営を担う。