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2018.12.02

北日本新聞に「県薬連 富山・スペイン交流訪問団」の特集記事が掲載されました。

県薬連 富山・スペイン交流訪問団

課題共通 協業へ前進

 

県薬業連合会(中井敏郎会長)は11月19~24日の日程で富山・スペイン薬業交流訪問団(団長・稲田裕彦救急薬品工業社長)を派遣した。

医薬関連企業との商談会、視察を通じて共同開発や販路開拓のチャンスを探った。

高い技術を誇りながらも少子高齢化に伴う国内市場縮小という共通の課題を持ち、海外進出に活路を見いだす両国企業は協業に向け一歩を踏み出した。

 

日本市場関心高く 具体的提案相次ぐ

 

メイン事業の商談会がマドリードのホテルで開かれた。

日本貿易振興機構(ジェトロ)や在日スペイン大使館経済商務部の協力を受け、スペインバイオインダストリー協会(ASEBIO)の加盟社を中心とする29社から48人が参加した。

 

当初の想定のほぼ2倍となる参加で会場スペースが不足する懸念があったほどで、スペイン側の熱心さがうかがわれた。

廣貫堂の塩井保彦社長は「いずれもアグレッシブな姿勢だった」と評価する。

 

具体的な提案が相次ぎ、テイカ製薬にはパップ剤のライセンス生産の申し出があった。

同社の高畠浩一特任部長は「内需だけに頼る国ではなく、積極的に海外企業と取引する意欲を感じた」と話す。

 

前田薬品工業の前田大介社長は、マドリード郊外の医薬品メーカー「ファルマシエラ社」が製造販売する外用剤に関心を寄せる。

日本では珍しいイブプロフェン配合の消炎鎮痛剤で、ボール状の容器を使って幹部にジェルを塗る。

「輸入販売し、ラインアップを充実させたい」と意欲を示した。

 

訪問団一行は企業に加え、現地のスーパーや薬局も訪れた。

ユースキン製薬の野渡和義社長は、化粧品類や洗面用具といったトイレタリー製品の安さに着目。

人件費コストを抑えられる可能性があるとし「日本での製造にこだわらず、スペインで作った製品を欧州向けに販売することも検討したい」と語った。

 

スペイン側の日本市場に対する関心も高かった。

視察先では日本進出を目指す企業が目立ち、グローバル展開と技術協力に向けた旺盛な意欲を裏付けた。

 

県薬連の国際交流事業はスイス・バーゼルに視察団を派遣した2006年に始まった。

スペイン訪問はジェトロの地域間交流支援(RIT)事業に選ばれている。

 

救急薬品工業社長 稲田団長に聞く

 

来年の協定締結目指す

 

ビジネスマッチング、企業訪問とも良い感触を得られた。

スペイン企業の真面目さは予想を上回り、商談会では県内製薬企業をはじめ、関連産業の企業にもプラスの影響があったと思う。

マドリードでの開催は初めてだったが、成功と言えるのではないか。

 

面談した企業の中には、中南米での売上比率の高い会社が多く、他の欧州諸国と異なる門戸の広さを感じた。

さらに大きく伸び盛りの市場に進出する上でスペインは重要な拠点になるだろう。

 

ASBIOと協力し、2年目に南部セビリア地方、3年目にはバルセロナやバスク地方への訪問を検討する。

来年にもASEBIOと協定を結び、県内企業の進出を後押ししたい。