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2018.10.20
日本経済新聞(北陸版)に当社の記事が掲載されました。
前田薬品工業 化粧品感覚の皮膚薬 使用後メークも可能
医薬品製造受託の前田薬品工業(富山市)は化粧品感覚で使えるかゆみ・発疹治療の一般用医薬品(大衆薬)を開発した。
化粧品に使われる成分を薬に加えることでベタつき感を抑え、使用後もメークができるのが特徴だ。
全国のドラッグストアに売り込み、早期に年間1億円以上の売り上げを目指す。
新しい大衆薬「マイフェナ」は非ステロイド性の抗炎症成分に加え、化粧品に広く使われる肌のバリア機能や水分保持を助ける成分を含んでいる。
スキンケア商品に強みを持つ同社にとって、初の女性に特化した商品となる。
既存のかゆみや発疹治療の大衆薬は、塗った後にベタつきが出てしまうため、使用後のメークが難しい。
そこに着目し、化粧品メーカーで開発経験を持つ社員が主導して2016年末から開発を進めていた。
「化粧品にも使われる成分を加えることで、ベタつかずに化粧品のような使い心地を狙った。使用後もメークが白浮きしない」と企画開発グループマネージャーのニルカ・アベワルダナ氏は説明する。
バリア機能の回復も助けることで、かゆみのある場所を引っかいてかゆみが増す悪循環の防止にもつながるという。
マイフェナは、朝起きてかゆみや発疹を覚えた時に使うクリームタイプのものと、外出時に体全体に使いやすいスプレータイプの2種類をそろえる。
早ければ年内にも発売したい考え。
同社がターゲットとするのは20~40代の女性だ。
同社の調べによると、こうした世代ではかゆみや発疹に悩んでいても、「忙しくて、かゆいくらいではなかなか病院に行くことができない人が多い」。
ドラッグストアなどで気軽に購入できる大衆薬で、こうした女性たちの需要を開拓する。
同社の17年9月期の売上高は約29億円。
主力は医薬品の受託製造だが、薬価引き下げで「競争は激しくなっている」(同社)。
薬価引き下げの影響を受けない大衆薬の収益面での期待は大きい。
新しい独自ブランドの商品を展開することで認知度を高め、医薬品の新規受託にもつなげたい考えだ。