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2017.11.02
富山新聞に当社の記事が掲載されました。
2017/11/02 富山新聞掲載記事内容
スキンケア市場参入
北陸最前線
前田ヘルスケアHD
医療費抑制による薬価の引き下げが続く中、国内の製薬企業が新たな収益源の確保を急いでいる。前田薬品工業を傘下に持つ前田ヘルスケアホールディングス(HD)は来年5月、立山町内で美容と健康をテーマとしたリゾート施設の建設に着手し、スキンケア市場でシェア拡大を狙う。
立山町にリゾート施設
新たに整備するリゾート施設「Healthian-wood」は建築家の隈研吾氏が設計を担当し、2019年4月の開業を目指す。「医薬品分野で培ったノウハウを生かし、事業の領域を肌トラブルの予防やアフターケアに広げたい」。同HDの前田大介社長はこう力を込める。
約4万平方メートルの敷地に立山産のラベンダーやヒノキ、ユズを用いたアロマ抽出機を備えた体験型の工房、アロマ製品の販売店舗、美容サロン、県産食材を使った料理を提供するレストランなどを設ける。将来的には宿泊棟も建設し、国内外からの集客を強化する。
昨年9月には子会社でアレルギーソリューション事業のスキニーを設立し、アレルギー関連の情報を提供する専門サイトを開設した。今後、こうした情報をまとめた書籍の販売や関連商品の通販サイトを手掛けるほか、セミナーで体質改善の助言を行う。症状の改善事例などをデータとして集め、病院やクリニックに提供していく計画だ。
昨年からは自社で化粧品の開発も始めており、前田社長は「皮膚関係の医薬品メーカーが本気でスキンケア事業を手掛けることにブランド価値が出てくるはずだ。付加価値の高い製品づくりに取り組む」と話す。スキンケア、リゾート施設の各事業比率を1割近くに高め、25年にグループ会社の売上高を40億円に引き上げる戦略である。
19年に輸出開始
国内市場が縮小する中、19年には台湾に自社ブランドの外用剤OTC(一般用医薬品)、ベトナムには主力のステロイド剤の輸出を開始する。18~19年にはアロマ製品やマッサージオイル、男性向け化粧品、ハンドクリームを中国と台湾に相次いで市場投入する。
「創業当初から研究開発にこだわり続けてきた強みを生かし、新たなビジネスモデルを確立したい」と前田社長は強調する。経営資源の選択と集中を進め、あらゆる皮膚の悩みを解決に導く総合メーカーへの成長を目指していく。